- 自家骨移植
- 自分の身体から腸骨などを採取し、 そのまま、または顆粒状に砕き骨が足りない部位へ移植します。
- 他家骨移植
- 本人以外の人から採取した骨移植片を用います。
- 異種骨移植
- 牛などから採取した骨移植片を用います。
- 人工骨移植
- 焼結したハイドロキシアパタイトなど人工の骨を用います。
『Guided Tissue Regeneration technique』の略で、『歯周組織再生誘導法』のことをいいます。
1980年代にスウェーデンで臨床応用が始まり、日本では90年代に普及しました。
歯周病で破壊された骨や歯周組織は、その原因となった組織やプラークを除去すると再生しようとします。
しかし、除去後そのままにしておくと、治るすべき骨や歯周組織が再生する前に歯肉が侵入し、治りません。
そこで、除去後に歯肉が侵入しないよう、歯肉の下に 『メンブレン』という特殊な人工膜を設置します。
それにより、 メンブレンの下に必要な骨や歯周組織が再生するのです。
『メンブレン』には『吸収性メンブレン』とチタン強化された『非吸収性メンブレン』があります。
吸収性メンブレンを用いた場合、手術後数ヵ月で自然に吸収されるので取り出す必要はありませんが、
非吸収性メンブレンを用いた場合は、通常約6週間後に取り出すための処置をする必要があります。
なお、この治療法は2008年から保険適用対象となっています。
GTR法と同じように骨を再生させる治療法で、『エムドゲイン法』ともいわれています。
『GTR法』では 『メンブレン』を用いたのに対し、
EMD法ではエムドゲインという薬剤を欠損部に注入し、歯肉の侵入を防ぎながら骨を再生します。
エムドゲインはスウェーデンで開発された薬剤で、
1998年に厚生労働省より認可されたブタ歯胚組織使用歯周組織再生用材料です。
主成分は乳歯の萌出期の細胞から分化されるたん白質を、幼若ブタの歯胚から抽出精製したものです。
これを患部に注入すると、歯の萌出過程のような環境を再現することができるので、
乳歯が生えたときのような強固な付着機能を持つ組織(骨)再生が促されるのです。
安全性も立証されており、現在先進国の約30カ国以上で使用されています。
GTR法と比較すると、術式が簡単、術後の感染の確率が低い、二次手術の必要がないというメリットがあります。
現在最も注目されている再生療法材『GEM21S』を使用する方法です。 EMD法のエムドゲインは生物材料から作られるのに対し、GEM21Sは化学合成されたもので、 『PDGF』という細胞の成長促進因子と『β-TPC』という物質から作られています。 1つの反応から起こる連鎖反応を誘発することにより患部が刺激されるように作られており、 その結果、骨や歯周組織の再生を促進するという仕組みになっています。 GEM21Sで最も重要な役割を果たす物質はPDGFで、 硬組織(骨)と軟組織(粘膜)両方の治癒に絶大な効果を表すとされています。
歯周病による歯槽骨の欠損部に対して骨を移植し、再構成するために行われる方法です。 使用する骨移植材により、以下の4つに分類されます。
歯を支える骨が吸収し、他医院で抜歯を勧められた方へ再生療法を行った治療例です。
レントゲン写真で、白く写っている部分が歯槽骨です。再生療法によって歯槽骨のライン(黄色で示した線)が上がっているのが分かります。
治療前 | 治療後 |
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黒っぽくぼんやり見えたところが、骨が再生して白っぽく写っています。
治療前 | 治療後 |
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治療前 | 治療後 |
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再生療法における術後のリスクは、歯肉の縫合の裂開による周辺組織の感染の可能性です。