骨吸収とは
歯槽骨(歯を支える骨)が時間経過とともに減少してしまうことです。
歯の欠損による骨吸収 歯を失うと、今までそれを支えてきた歯槽骨の役割がなくなってしまいます。
そうなると、退化に似た状態次第に骨を吸収していくようになります。
インプラントの影響による骨吸収 インプラントは天然歯に比べてプラークが増殖しやすく、プラークや歯石が付着することで生理活性物質(生体の生理活動に何らかの作用をもたらす物質)が作り出され、その影響により歯槽骨の吸収が起こりやすくなります。
抜歯後、歯を支えている骨の吸収(6ヵ月で骨の幅や高さが30〜40%減少)が見られます。
また、フィクスチャーにアバットメント(フィクスチャーと人口の歯をつなぐ部分)を装着した後に、フィクスチャーの上部の周囲の骨吸収が見られます。
圧力による骨吸収 歯槽膜をもたないインプラントに『咬合性外傷』が起こることも、骨吸収の原因といわれています。
咬合性外傷とは、過度の咬合力によって歯周組織に損傷が起きることで、歯が咬合の圧力から逃れる方法として歯槽骨の吸収という形をとることが原因です。
骨吸収の治療
GBR法
『Guided Bone Regeneration』の略で、『骨再生誘導法』のことをいいます。
歯周組織再生療法の1つで、歯周病などで骨が失われた部位に自家骨(自分の骨)や人工骨などを移植して骨の再生を図るものです。
主に、インプラント治療を希望しているが骨の量が足りない、という場合に行われます。
サイナスリフト
『上顎洞底挙上術』のことをいい、臼歯部にインプラントを埋入したくても上顎洞までの距離が短く、そのままでは埋入できない場合に行われる手術です。
上顎洞底粘膜を押し上げ、そうしててできたスペースに骨移植やPRP(多血小板血漿)などを行い、約3~6ヵ月待ちます。
成功すると上顎洞までの間に新たに十分な量の骨がつくられるので、インプラントの埋入が可能になります。
ある程度自分の骨が残っている場合、サイナスリフトではなく『ソケットリフト』という方法で対応することがあります。
ソケットリフト
臼歯部にインプラントを埋入したくても上顎洞までの距離が短く、そのままでは埋入できない場合に行われる手術です。
上顎洞底粘膜を押し上げ、そうしててできたスペースに骨移植やPRP(多血小板血漿)などを行い、約3~6ヵ月待ちます。
成功すると上顎洞までの間に十分な量の骨が新たに造られるので、インプラントの埋入が可能になります。
ただし、新しくつくられる骨の量に限界があるので、骨の量が極端に少ない場合には、ソケットリフトではなく『サイナスリフト』という方法で対応することがあります。